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2007/05/12 (Sat) いたいけな命

20070512121756.jpg本当に小さなスズメの赤ちゃん。まだ羽も生えそろわず・・・。



ドアを開けたすきに、ヒョイと外に出てしまったうちの猫ナラが、
しばらくしてからものすごい勢いで駆け込んできた。
けたたましく興奮している。
口に何かをくわえている。

スズメの赤ちゃんだった。

口から離させて・・・でも、もう命はないだろうと思った。
小さな体。手のひらにすっぽり収まりそれよりなお小さい。
羽もまだ生えそろいきっていないし、足など、爪楊枝よりずっと細い。
ずいぶんと弱っている様子で、ほとんど動かない。
でも、かすかに心臓が鼓動しているのが感じられる。
生きていてくれた!!

家族は、
「親から離れた小スズメは、もう助からないよ。あきらめるしかない。」
と言う。
「でも、今生きているのに、このまま見殺しには出来ないよ。」
と言った。

とりあえず、カメのえさを水でふやかし、割り箸の先につけて口に入れてみると食べる。
「食事を取れるなら、生きられるかもしれない!!」
希望がわいた。
それから私の、にわか育児が始まる。

20070512122950.jpg
ピイピイ!もっと!もっと!うまく口に入らなかったエサでお顔が汚れています・・・。

インターネットで保護の仕方、育て方を見て・・・。
(このサイトの、レスキューのページ参照。
http://asterisk-web.com/sparrow_club/
まず保温、そして食事だ、と思った。
スタンドの電球を、まぶしくないように黒い布で覆い、その熱で温める。
根気よく、時間をかけて口元にくり返しエサを運ぶ。
驚くほどよく食べてくれる。

夜中にも、何度も何度も起きて、エサをあげる。
見るたびに、
「生きているだろうか・・・。」
と、どきどきする。
カサコソと、仮の巣箱に敷き詰めた新聞紙の音がすると、ほっとする。

翌日、獣医さんに連れて行き、
(「野鳥だから代金はいらない。」と言ってくれた。優しい先生・・・。ありがとう!)、
先生のアドヴァイスで市役所に電話してみる。
市役所は、驚いたことに(?)すぐに対応してくれ、
「明日朝一番でご自宅まで迎えに行きます。そのスズメを鳥獣保護のボランティアのところに届けますので、それまで頑張って保護していてください。」
と言ってくれた。
明日まで何とか頑張って、か細い命をつなごう、と、固く決意する。

そして、また、エサやりが始まる。
一回食べさせるのに、一時間近くかかる。
それでも、つぶらな瞳で「ピイ」と鳴き、大きく口を開ける姿がいとおしくて、ちっとも苦にならない。
だんだん体力が回復してきたようで、食べても食べても
「もっと、もっと!」
と口を開ける。
だんだんお互いに息も合ってきて、スムーズに食べ物を口に入れてあげられるようになる。
時々羽をばたつかせ、だいぶ元気になってきた様子。
食べるとすぐに眠たそうにまぶたを閉じる。
かわいくて仕方がない。

ほとんど眠らずに二晩目が過ぎ・・・。
次の朝、市役所の人が来た。
「すみません。もう一度だけエサを食べさせたいので、少しだけ待ってください。」
と頼む。
別れるのがつらい。
でも、猫2匹と犬のいる我が家では、育ててあげられない。
野鳥を死なせず無事に育てることは、プロでも難しいそうだ。
この子は専門家のところでちゃんと世話をしてもらえるのだから、その方がいいのだ。
・・・と、自分に言い聞かせながら、お菓子のきれいな箱に、ふわふわにちぎった新聞紙をしきつめ、寒くないようにと箱の外側にカイロをはって、エサとともにお渡しする。
「くれぐれも、どうぞよろしくお願いします!」
と頭を下げた時、不覚にも涙がこぼれた。
そして、二日間ともに過ごした、ちいさなかわいいい赤ちゃんスズメを見送った。
無事に育ってね、と祈りながら。



20070512121826.jpg 
いたいけな、いとしい命。

野鳥を保護することに対しては、様々な考えの人がいるだろう。
生きる運命ではなかったかもしれない命を、無理に人間が守って育てるのはいかがなものかとお思いになる人も、中にはいるかもしれない。
でも私は、自分の元へと飛び込んできた小さな命を、見殺しにすることは断じて出来ない。
だって、まだ温かく、生きているのだから・・・。
私が世話をしなければ、確実に死んでしまうのだから・・・。
なんとしても助けたい、絶対に死なせない、と、強く強く思った。
私は、助けることができたこと、かわいい小さな赤ちゃんスズメの世話をさせてもらえたことを、とても感謝している。

縁あって出逢った、小さな、いたいけな命。
どうぞ無事に、育ちきることが出来ますようにと、心から祈る。
繰り返し祈る。

nara.jpg
この子がスズメ誘拐の犯人です。
「あああ~・・・あんなに小さいスズメの子を、親から奪ってくるなんて。
私はいったいなんてことをしてしまったの!!
本当にごめんなさい!!反省しています。」

・・・なぁんてことは、ちっとも思っていないのでしょうね・・・。


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