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2007/10/05 (Fri) 曼珠沙華

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「涙にならない かなしみがあることを
知ったのは ついこの頃・・・」

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「かたちにならない 幸せがなぜかしら
重いのも そうこの頃・・・」

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「あなたへの手紙 最後の一行 思いつかない
どこでけじめをつけましょう」

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窓辺の花が咲いた時
はかなく花が散った時
・・・・いいえ、あなたに愛された時


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「曼珠沙華 恋する女は
曼珠沙華 罪作り」

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「白い花さえ 真紅に染める」

(『曼珠沙華』 1978年 作詞/阿木耀子 作曲/宇崎竜童 歌/山口百恵)
子供の頃、家に「山口百恵ベスト」というLPレコードが一枚ありました。
そのアルバムの中で、この曲と出会いました。


曼珠沙華。
サンスクリット語でmanjusakaは「天界に咲く花」。
仏教の経典にある「良いことの起こる兆しに、天から赤い花が降る」というのが花の名の由来だとか。
この花はまたお彼岸の頃に咲くことから「彼岸花」とも呼ばれます。
お彼岸には、昼と夜の長さが同じになるため、太陽が真西に沈みます。
西は、極楽浄土へと通じる道。
あの世とこの世が交わるところ。
花言葉は、「悲しい思い出」「再会」だそうです・・・・。

悲しい思い出の中にいる、亡き人と、心の中で再会をさせてくれる花なのでしょうか。
どこか、この世のものならぬ・・・妖しい魅力をただよわせています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

子供の頃には分からなかったことを、大人になったある時、ハッと気づくときがあります。
曼珠沙華が美しい花だと、心から感じられるようになったのも、大人になってから。
子供の頃は、なぜでしょう、よく墓地に咲くこの花の美しさが、どこか空恐ろしいように感じていました。
この花には、「地獄花」「幽霊花」「死人花」「毒花」・・・などという呼び名があるのも、子供心には恐ろしい感じがしました。

舞台を終えて、曼珠沙華の花が美しく咲いていたことに、やっとゆっくり目を向ける時間を持てました。
つい先週まで、車の中からただ眺めては、「時間ができたら・・・」とつぶやき急いで通りすぎる日々が続いてきたのです。
写真を撮るうちに、身近にある小さな光景の中に「輝き」が見えてきます。
炎のように赤くうねる花びらから突きだしてスッと伸びる猫のひげのような長いしべ。
黒い蝶が、どこからかあらわれ、曼珠沙華の赤い花びらの上に留まる・・・・!!
静かな静かな一瞬。
そして、赤の中に咲く「白」の美しさ・・・・。

秋のおだやかな日ざしの中でゆっくり写真を撮るうちに、阿木耀子さんが山口百恵さんのために書いた「曼珠沙華」の歌詞、
「涙にならないかなしみがあることを 知ったのはついこの頃・・・」
が、心に迫ってきました。

涙にならないかなしみ・・・。

この言葉を繰り返し心の中に想うとき、さまざまな記憶が立ちのぼってきます。
涙にならないかなしみがあることを知ったのは、そう、ついこの頃のことだなぁと・・・。
あらためてしみじみ思い返していました。
子供の頃は、かなしみというのは、もっともっとシンプルなかたちをしていたような気がします。(・・・が、実は子供の心にも深いかなしみはあるのでしょう。それは大人になった今だから、忘れてしまっているのかもしれませんね。)
人生は、時に、想像もしなかったような困難を与えてくれますね。
私にとって、今年はそういうことの多く与えられた年でした。
「ねえ、こんなかなしいことがあったの。聞いて。」
と、泣きながら言葉にして言ってしまえることは、まだどうにか乗り越えられる・・・それほど苦しいことではないのでしょう。
誰にも言えない・・・・。
涙すら見せることはできない・・・・。
たった一人で、心に重く逃れがたく抱え続けなくてはならない。
そんな、かなしみがあります。
(それはもちろん、ここにも書くことはできません。だれの人生にも、きっとあると思います。)
生きる日々が積み重なれば積み重なるほどに、「涙にならないかなしみ」もまた、積もっていくように思います。
言葉にも、涙にも、できないがゆえに、消えることなく・・・。
「涙にならないかなしみ」は、消えることなく、命が続くかぎり、心の中に溜まっていくのでしょうか。
それとも、・・・消えないままに浄化されたり、・・・うまく消化・昇華されたり、・・・雪のようにいつしか溶けて消えていったりするのでしょうか。
私の首や肩の上に、こうやって重たく乗っている「これ」は何でしょう。
生きているかぎり、さまざまな喜びや、かなしみに、逃れがたくさいなまれながら、「愛と犠牲」の中で日々を過ごしていくしかないのでしょうね。
それが生きる醍醐味かもしれません。

この、炎のような赤い花は、阿木さんのおかげで、私にとっては
「涙にならないかなしみ」
を、思い出させる花となりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

舞台に向けて相当に張りつめたテンションで過ごしていくので、(舞台によっては)その後で反動が来ることがあります。
気が抜けるのと同時に、力が抜ける・・・。
それは決して悪いことではなく、自分はこうしてバランスをとっているのだろうと思います。
だから、決して暗くなっているわけではなく・・・。(心配はいりませんよ!)
日々は、穏やかに、優しく過ぎていきます。
やりたいことの計画も、具体的にすすんでいてワクワクしています。
仕事や家族との時間。
ごく当たり前に見える日常が愛おしいと感じられる今日この頃です。

西武池袋線の高麗駅の近くに、巾着田という曼珠沙華の群生地があります。
大学時代に、ゼミの先生・仲間と合宿の帰り道に行ったことがあります。
夕暮れの中で、見事に赤い絨毯となっている曼珠沙華には、鬼気迫る妖艶な美しさがあり、ゾクリとしました。
今、まさに満開だそうです。
またあらためて、見に行きたいものです・・・。
http://www.kinchakuda.com/ 巾着田の公式HP



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mar(マル)

Author:mar(マル)
☆大切なこと
「真・善・美」な道を求めて日々成長すること。

☆好きな言葉
「世界と人生を愛すること 
苦しい時にも愛すること 
太陽の光を感謝して受け取ること 
苦しみの中でも微笑を忘れないこと」
(ヘルマン・ヘッセの言葉) 

☆好きなこと
・空が好き。
・本(古典・純文学系)が好き。
・きれいな音楽が好き。
・いい映画や、美術、旅行も好き。
・木に咲く花が好き。
・花の写真を撮ることが大好き。
・色々考えることが好き。
・文章を書くことも好き。

☆好きな本
・ヘッセ『デミアン』『春の嵐』
・リルケ『若き詩人への手紙』
・高村光太郎『智恵子抄』
・三浦綾子『道ありき』『氷点』『泥流地帯』『塩狩峠』
・倉田百三『出家とその弟子』
・ドストエフスキー『白痴』『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』
・ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』
・トーマス・マン『トニオ・クレーゲル』
・ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』
・宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
・ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
・サンテグジュペリ『星の王子さま』
などなど。

☆好きな映画

『初恋の来た道』『ポンヌフの恋人』『ローマの休日』『アメリ』『父と暮らせば』『ノッティングヒルの恋人』『ライフイズビューティフル』『ベティーブルー』『存在の耐えられない軽さ』『嵐が丘』『LOVERS』『汚れた血』『イングリッシュペイシェント』『エトワール』『風と共に去りぬ』など

☆好きな音楽

・グレン・グールドの弾くバッハ(特に『ゴールドベルク』)
・マドレデウス

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