我が家の庭の木槿(むくげ)の花が咲きました。
尊敬する河合隼雄(かわいはやお)さんが亡くなった。
河合 隼雄氏(かわい・はやお=京都大名誉教授、臨床心理学、前文化庁長官)2007年7月19日午後2時27分、脳こうそくのため奈良県天理市の病院で死去、79歳。兵庫県出身。自宅は奈良市西大寺新田町7の9。葬儀は密葬とし、後日お別れの会を開く。
京大卒業後、スイスに留学し、分析心理学を創始したユングの研究所でユング派分析家の資格を取得。臨床心理学者としての業績に加え、従来の学問の枠にとらわれない幅広い視野に基づく研究や軽妙な話術で知られた。
69年から天理大教授、75年から京大教育学部教授、90年から国際日本文化研究センター教授を務め、95年から6年間は同センター所長。2000年に文化功労者。02年1月、文化庁長官に就任したが、在任中に脳こうそくで倒れ、意識が戻らないままだった。
もう10年以上も前から・・・(もっと前かな)、河合さんの本はよく読んでいて、ファンだった。
いつかお目にかかりたい方、そして、心の中で一方的に温かい親しみをもってあこがれていた方だった。
詩人・谷川俊太郎さんとの対談、『魂にメスはいらない』(講談社α文庫)。
この本は、10回ぐらい読み返したかも知れない。
その他にも、ベストセラーになった『心の処方箋』(新潮社)。
タイトルそのものズバリの『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』(新潮社)。
グリム童話を題材に人間の心理を深くさぐった『昔話の深層』(講談社)
などなど、たくさんの著書を残してくださった。
・・・河合さんの本を読むと、「優しい知識人」という言葉が思い浮かんだ。
・・・真の常識と、人間の心に対する深い洞察とを持った成熟した温かい人間性がうかがわれ、とても尊敬していた。
柔らかく、そして受容力のあるやさしい文章に、
「この人と共にいたら、なんだか心の奥にある色んなことを話してしまいたくなるんだろうな~。
そうしたらきっと、『へぇ~』とか、『ほほう』、『なるほどねぇ』と、
断定もせず、否定もせず、ただニコニコ感心しながら温かく聞いて下さるんだろうなぁ。」
と、確信していた。
そんな、「信頼して心を開いて良い相手がこの世にはいるのだ」ということを、感じさせてくれる稀有な存在だった。
人間の中には「たましい」の存在がある、ということを、はっきりおっしゃった方だった。
民間人から文化庁の長官になられたということで、「あの方なら!」と期待と共に嬉しく思ってもいた。
亡くなる前にお目にかかることができなかったのはとても残念だけれど・・・。
でも、残して下さったたくさんの本を、これをきっかけに、あらためて大切に読ませていただきたいと思う。
河合隼雄さん、ありがとう!
生まれてきてくれて、生きてくれて、たくさんの大きな仕事を成し遂げてくれてありがとう!
河合さんの本、これからますますたくさん、大切に読みますね!
comment
河合さんのまとまった著書はたぶん1冊も読んでいないと思います。
だからここにコメントする資格などないのですが、
でも気になる人ではありました、ということだけ
お伝えしたくて一言記しました。
吸い込まれそうな白と真ん中の赤い色・・。
こんな癒やしてくれる花がmarさんの庭に咲いているのですね・・。素敵ですね・・。
僕も河合隼雄については、一冊も読んでいませんでいたがmarさんの今回の日記を読んで、とても読んでみたいって気持ちになりました・・。
お亡くなりになったこと、心からご冥福を祈ります・・。安らかに光の中でおだやかな毎日でありますように・・。
とてもいい本を紹介していただきありがとうございます・。
不勉強だなんて、とんでもありませんよ~。
「読んでいました。」とおっしゃられた方が驚いたかも知れません。
コメントしてくださってうれしいです!
この間、NHKで(追悼番組なのでしょうね)、様々な分野の4人の方と河合さんとの対談をやっていました。
忙しさが一段落したらゆっくり見ようと、楽しみにしているところです。
今日から帰省ですね?
かわいいいっちゃんしんちゃんの笑い声が聞こえてきそう・・・。
どうぞ、お気を付けて、楽しい休日になりますように!!
木槿は本当にきれいでしょ?
立葵(タチアオイ)、芙蓉、木槿・・・ハイビスカスも含めて、なかなか見分けが難しいですね。勝手に木槿だと思っているんだけど。(笑)
去年の夏は、携帯でこの花を撮ったことを思い出します。
大きくない庭ですが、季節ごとの花にちゃんと出会えるのは幸せなことだなぁと思います。
trackback
http://lunasolmilcoco.blog68.fc2.com/tb.php/157-4c662792