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2007/10/22 (Mon) キャバレー

20071022195107.jpg

人生のすべてがここにある。
舞台「ミュージカル キャバレー」
http://www.parco-play.com/web/play/cabaret/
台本:ジョー・マステロフ  作曲:ジョン・カンダー  作詞:フレッド・エブ
演出:松尾スズキ
出演:松雪泰子 阿部サダヲ 森山未來
青山劇場


●「ミュージカル・キャバレー」観てきました。

「人生のすべてがここにある」というキャッチコピー。
とてもとても期待して出かけたのですが・・・。
私の見た舞台が東京での千秋楽だったのですが・・・。
一夜明けて今振り返ると、やはり何かとても物足りなかったような気がします。
観ていたその時は楽しく感じたのですが、残念ながら、大きな感動、とか、深く心を動かされる感覚を味わうことが出来ませんでした。
歌唱力。ダンス。このミュージカルには必要不可欠の大事な二点においても、もっともっと、見ている私たちの心と体が震えるような、迫力ある圧倒的なパワーを見せて欲しかったなぁと・・・残念に思います。
(比べてはいけないのかな?あらためて、劇団四季のダンスと歌のレベルの高さを思い知った気がします。)
この「キャバレー」は、残念ながら「人生のすべてがここにある」・・・と言ってしまうのは言い過ぎな作品である・・・と感じました。

この、ハリウッドはじめ世界で繰り返し上演され映画化もされてきた「キャバレー」という作品には、本来、文学的な「深さ」があります。
この世の終わりなのではないかと感じるような退廃的なドイツ・ベルリンを舞台にした物語は、それこそ成功すれば「人生のすべてがここにある」と感じさせてくれるものであり得る。
異邦人と、社会の底辺であるキャバレー歌手のひとときの夢のような恋。ナチスの台頭してくる時代の社会に覆い被さる不穏な空気。人間の愚かさや弱さやいじらしさ。欲望やエゴイズム、そして純粋さ。
テーマはとても普遍的で、深いものです。
が、今回の舞台は、それを無理やり安易な笑いにして落とそうというところで、薄ら寒さを出してしまっていたと思います。
素直なお客さんは演出者の意図に親切に乗って笑っていましたが、笑ってはいけない部分でも笑ってしまっていたように私には感じられました。
人種差別や、政治的暴力。時代の狂気。
笑えなかったなぁ・・・・なんとなく後味が悪くて。
(私のように「笑えない」と、お客さんにそう感じさせたい・・・というのが実は演出者の意図なのでしょう。が、時代背景を理解できない素直なお客さんにとっては意味の伝わらない、単におかしい場面と感じさせて、笑わせてしまっている。そこに演出側の力量の足りなさがあるようです。)
これだけの一流の役者さんたちが揃っていたのになぁ・・・。
豪華な舞台セットに、豪華な衣装に、一流の役者たち。
なのに何かがもったいない舞台でした。

阿部サダオさんは一人で頑張っていました。(そのように見えてしまいました。)
彼は、本当に素晴らしい役者さんだと思いました。
彼がいたから、あの舞台は成り立ったのでしょう・・・。
でも、(これは本当に個人的な好みだと思うのですが)、出来ればもう少し、(怪優っぷりは充分に発揮してくれていたので)「妖しい毒気」のようなものが欲しかったなぁ・・・。
それをやろうと思えば十二分に出せる阿部さんだと思うのですが・・・。
単純なおもしろMCに徹していて、不気味なトリックスターの役割までは果たし切れていないように感じました。

松雪泰子さん。
彼女は本当に素晴らしい女優さんで、映画「フラガール」もとても良かった!とても好きな女優さんなのです・・・。彼女を観るのもとても楽しみに劇場に向かったのですが。
・・・でも、この作品においては残念ながら完全にミスキャストだと思いました。
線が細すぎて、歌もダンスも「悪くはない、まぁまぁ・・・」という感じ。甘ったるさやシナが、エロティックなチャーミングさとしては香りえない・・・。物足りない。役不足。
それは私がライザ・ミネリが映画で演じたあの魅力的な「サリー」のイメージを求めてしまっているからかもしれません。
でも、「もっともっと、歌えて踊れて、魅力的にあのサリーの役をこなせる人が、日本でも他にいくらでもいるだろうになぁ・・・。」と思ってしまいました。
サリーの役が別の女優さんだったら・・・と考えてしまいます。
たとえば天海祐希さんとか、宝塚男役出身のトップスターで踊りも歌も文句なしに抜群、背も高く体格も良く、演技力や魅力にあふれたような人・・・・。
そんな人による、ダンスに胸躍るような、歌唱力に鳥肌が立つような、そういう「サリー」の「キャバレー」を味わいたかったなぁ・・・。
私にとってはやはりライザ・ミネリ!彼女の「サリー」が最高です!
(世界最高峰のミュージカル女優ライザ・ミネリと比べてしまうのも、松雪さんには申し訳ないのですが・・・。)
ミスキャスト、というのは作品と俳優、お互いにとって不幸なんだと思いました。
そして、舞台や映画においてはキャスティングが命だなぁと感じました。

森山未來さん。
あれだけ踊れる人を踊らせずにいるのがもったいなくて歯がゆかったです。
もっと未來君のダンスが観たかったなぁ・・・。
でも、彼も本当に素晴らしい役者さんだと思いました。

松尾スズキさんの舞台ははじめてみましたが、なぜ彼がこのたび、この名作「キャバレー」をあえてミュージカルでやろうとしたのか、それが気になりました。
(パンフレットを買わなかったので分からずじまいです・・・。)

舞台を観ているときは、とても楽しかった。
でも、それでおしまい。
人生はキャバレー、ひとときの夢・・・。
・・・・・・ということかもしれませんね。


●本来の「キャバレー」は・・・。

でも、本来この「キャバレー」という作品は、ひとときの夢、では終わらせられないずっしりとした手応えが、観るものの心に残る作品であるはず。
私の観た映画の「キャバレー」(1971年)は、そういう作品でした。
監督はボブ・フォッシー、主演は絶頂のライザ・ミネリ。アカデミー賞の8部門に輝いた、ミュージカルの中でも普及の名作。
もし、まだ観ていない方は、こちらをぜひ、おすすめしますよ。

51JEGNQ73VL__SS500_.jpg

厳しい批評でスミマセン・・・。
でも、真剣に舞台に上る人に対して、真剣に見たうえで、正直な感想を書くことは礼儀。そして、私にとっても自分の感じたことを書いておくことは大切なことだと思いました。
もっとくだらないものであれば批評すらする気にならないはずなので、「何かを言いたい」という気持ちにさせてくれる価値のある作品であったことは確かです。

「良い作品であればこそ、真摯な批評を!」
これは、私が文学を読む上で学んできたことです。

ああ、それにしても、心の底から感動させてくれる「何か」に出会いたい!!
いつもそれを、強く求めているように感じます・・・・。

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comment

 そっか・・・・

 しかし、感動というものは・・・空気でびしびし伝わってこないとね・・・・歌、台詞・・・言葉の羅列ではなく、思い描かせる何か・・・

  気迫、気合い、気持ち・・・『気』

劇場を出た後に押し寄せる、余韻・・時が経っても、蘇る情景・・・

ライヴの感動って独特のものですよね・・・・

演じる者と観る者の同じテンション・・ダイレクトに伝わるから
その一瞬一瞬が、全てとして流れていかなければいけないんでしょうね。

舞台は楽しいもの!!そして同じくらい怖いものだと思います。

怖いというのが・・・空気・・やっぱり『気』ですかね・・
2007/10/23 09:52 | さるしおん [ 編集 ]

最近、自分の日記で
「舞台や映画では感動が少なくなってきているのに、フラメンコだけは何を観ても感動する!」
と書いたところでした。
本当に、フラメンコのライブでは常に「何か」発見があるんです。
それは、まだ私が「知らない事に出会える」から。

知れば知るほど、極めれば極めるほど、感動が薄れるのは仕方ない事です。
いつまでも子供のように無垢ではいられませんから。
その分、自分の引き出しが増えている証なんですよね。

「ああ、それにしても、心の底から感動させてくれる「何か」に出会いたい!!」

marさんの心の叫びには同感です!
私もフラメンコ以外に関しては舞台や映画等、満足できる作品にはなかなか出会えません。
そんなにマメに観ている訳ではないけれど、広告の時点で惹かれるものがないのでまったく興味が湧かないんです。
20代の頃はビシバシ刺激を感じてたのになぁ~。
悲しいものです。
いつまでも80~90年代にうけた影響が私の感動の上位を占めています。
こんなんでいいのかしら?まったく・・・。
2007/10/23 10:16 | erte [ 編集 ]

またまたお邪魔します。実は演劇もミュージカルも好きです。この舞台は未見ですが、松尾さんの手にかかってどんな世界に変貌するのかかえって期待していたり、役者さんの御顔ぶれから相当ぶっ飛んだ『キャバレー』なのでは?と想像してました。オリジナルに忠実に演じる作品もあれば新たな独自の演出試みる作品もありますよね。観る側の好み、感性でそれぞれの舞台の価値も変わるものと思っていますが、知名度だけのキャストで失望させられることも多々あります。『キャバレー』、それほど×でしたか?個人的には秋山菜津子さんにいつも魅了されています。
2007/10/23 20:54 | March [ 編集 ]

「良い作品であればこそ、真摯な批評を!」
うん!本当に大事なことですね。
「批評」って、本当に難しい。
ずっと以前読んだ本に載っていた討論会でのやりとりを思い出しました。
「フラメンコの公演について無難な批評が多い、もっと酷評があってもいいのではないか?」
「それは、批評できる人が育っていないからだ」

ほんと、感想、批評、難しいです。
感じ取ることにも高い感性が必要、それを言葉で表現するにも力が要る。
marさんはそれができる、貴重な方!
これからも楽しみにしてるね!
2007/10/23 21:15 | さんた [ 編集 ]

☆さるしおんさんへ

おっしゃるとおり、「空気」、まさにそれこそが本当に大事なものなのだろうと思います。
照明家の井上正美さんとお話しをしたときに、
「舞台照明というのは『空気』だから、録画した映像では伝わらない。その場で、まさに舞台を見つめないと・・・。」
とおっしゃった言葉を聞いて、「なるほど」と、すごく感心した覚えがあります。
『気』・・・作り手も重要ですが、演じる側、歌い、踊る側の、「心」にすべてがあるのかもしれませんね。
その舞台をどれだけ大事に愛し、真剣に向かいあい、自分の全身全霊の「心」をそそいでいるか・・・。
そこが問われるように思います。
エンターテイメントに徹するなら徹するなりに、プロ意識、プロとしての一流の「芸」をきちんと披露しなくてはならない。
「心」「気」が重要。
だからこそ、その舞台上の人間と観客との「心」に響きあう何かが生まれた瞬間の感動も大きいのですよね。
我が身を振り返り、色々考えさせられます・・・。
見ることが一番の勉強ですね。
(勉強、って思っちゃうから単純に楽しめないのかなぁ・・・。)

もっと、もっと、色々見てみたいなぁ・・・。
2007/10/24 21:59 | mar [ 編集 ]

☆erteさんへ

「感動できなくなるのもまた、引き出しが増えているから・・・。」
との言葉にハッとしましたよ!
そういう風に思えば、なるほど、成長の証と言えるかもしれませんね。
良くいえば、目が肥えていく・・・とも言えるかなぁ。
「フラメンコ」で感動すること・・・こそが、こまったことに私にとってはまったく大いなる課題です。
本当に素晴らしいフラメンコに出会いたいなぁ。

子供の頃、住んでいる市の、年に4回子供にお芝居を見せる会に参加していて、子供用のミュージカルなど色々見せてもらいました。
「ユニコの冒険」「ゆきんこゆき」
今でも覚えているほど、熱狂的に夢中になり感動し、寝ても覚めてもその舞台のことばかり話してしまうような・・・そんな時間を過ごしました。
新しい作品を見るたびに、「今度のが一番感動したよ!!」と親に興奮しながら話していたことを覚えています。

私も、映画や本では最近のものの中では大きな感動をした、というと・・・しばらく考えないと出てきません。
そうそう、少し前のものですが、『初恋の来た道』という映画は、最高に感動しましたよ!!(もしまだでしたらオススメです!)

今度、中国の舞踊団の「千手観音」という舞台を見に行く予定です。
すごく期待して、楽しみにしているところです。

そして、季節の移り変わりの中で毎日、空や花は私を感動させてくれます。
嬉しいなぁ、と思います。
2007/10/24 22:11 | mar [ 編集 ]

☆Marchさんへ

コメントありがとうございますヽ( ´ ▽ ` )ノ ♪

私は、今回松尾さんの舞台を初めて拝見したのですが、チラシにあった「人生のすべてがここにある」はちょっとこの作品のコピーとして不的確だなぁと思いましたよ。
私だったら、松尾版「キャバレー」には
「結構おかしい、ちょっぴり哀しい、そして弱冠ヘンテコリン」
というようなコピーをつけるかなぁ・・・。(笑)
まさにそんな舞台だったのです。
本質的なテーマを真正面から描くことをあえてせずに、ちょっとはぐらかして独特の笑いにのせて表現する・・・。
きっと松尾さんという方は、照れ屋さんなのかもしれませんね。
正直にいえば、主演の松雪さん(大好きなのですが)が他の人だったら、それだけでかなり作品の迫力が違っていたかもしれない、と思いますよ。
秋山さん、素敵な良い女優さんだと思いましたよ!
存在感があって光っていました。(良くも悪くも、阿部さんと彼女が、かなり主役を喰っていました。)

2007/10/24 22:20 | mar [ 編集 ]

☆愛するさんたちゃんへ

ここにコメントくれるのはたぶん初めて!?
ようこそお越し下さいましたo(≧▽≦)oキャア♪
ウェルカムです!!待ってたよ~。うれしいよ~。

知っての通り、私はかなり正直コメンテーター(?)なので、実際に一緒にいることの多いさんたちゃんは、ここには書けないような(笑)私の本音の感想もたくさん聞いてくれているよね。
でも、あとになって、いつも、
「もっと優しい心で物事を見つめられる私でいたいのになぁ・・・」
と反省するので、率直すぎることは公の場には書かないようにしています。
批評することは、責任を伴うこと。
そして、批評と批判は大きく違う。
やはり、真剣によ~く考えて書かなくては、書かれる側に失礼だろうなぁと思うので・・・。
誉めるのも、批評するのも、慎重に、考えて、が大事だよね。
だって、創る側の生み出す労力の大変さを骨身にしみて感じているから・・・。

それはそうと、さんたちゃんの踊りに心から感動して涙が出たことがあるよ。
さんたちゃんは自分の細かい部分を反省していたけれど・・・些細なことよりも、踊るその「心」に、すごく感動させられました。
またあんな踊りを見せてね!!
私も頑張るよ。(´ー`)ハッハ
2007/10/24 22:29 | mar [ 編集 ]









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mar(マル)

Author:mar(マル)
☆大切なこと
「真・善・美」な道を求めて日々成長すること。

☆好きな言葉
「世界と人生を愛すること 
苦しい時にも愛すること 
太陽の光を感謝して受け取ること 
苦しみの中でも微笑を忘れないこと」
(ヘルマン・ヘッセの言葉) 

☆好きなこと
・空が好き。
・本(古典・純文学系)が好き。
・きれいな音楽が好き。
・いい映画や、美術、旅行も好き。
・木に咲く花が好き。
・花の写真を撮ることが大好き。
・色々考えることが好き。
・文章を書くことも好き。

☆好きな本
・ヘッセ『デミアン』『春の嵐』
・リルケ『若き詩人への手紙』
・高村光太郎『智恵子抄』
・三浦綾子『道ありき』『氷点』『泥流地帯』『塩狩峠』
・倉田百三『出家とその弟子』
・ドストエフスキー『白痴』『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』
・ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』
・トーマス・マン『トニオ・クレーゲル』
・ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』
・宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
・ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
・サンテグジュペリ『星の王子さま』
などなど。

☆好きな映画

『初恋の来た道』『ポンヌフの恋人』『ローマの休日』『アメリ』『父と暮らせば』『ノッティングヒルの恋人』『ライフイズビューティフル』『ベティーブルー』『存在の耐えられない軽さ』『嵐が丘』『LOVERS』『汚れた血』『イングリッシュペイシェント』『エトワール』『風と共に去りぬ』など

☆好きな音楽

・グレン・グールドの弾くバッハ(特に『ゴールドベルク』)
・マドレデウス

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