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2006/12/29 (Fri) 「ふゆのさくら」

私の好きな「ふゆのさくら」という詩。

「ふゆのさくら」 新川和江

おとことおんなが
われなべにとじぶたしきにむすばれて
つぎのひからはやぬかみそくさく
なっていくのはいやなのです
あなたがしゅろうのかねであるなら
わたくしはそのひびきでありたい
あなたがうたのひとふしであるなら
わたくしはそのついくでありたい
あなたがいっこのれもんであるなら
わたくしはかがみのなかのれもん
そのようにあなたとしずかにむかいあいたい
たましいのせかいでは
わたくしもあなたもえいえんのわらべで
そうしたおままごともゆるされてあるでしょう
しめったふとんのにおいのする
まぶたのようにおもたくひさしのたれさがる
ひとつやねのしたにすめないからといって
なにをかなしむひつようがありましょう
ごらんなさいだいりびなのように
わたくしたちがならんですわったござのうえ
そこだけあかるくくれなずんで
たえまなくさくらのはなびらがちりかかる

~詩集「比喩ではなく」より~

1101sa.jpg

写真は、12月だというのに、まだけなげに咲いている「十月桜」。
冷たい空気の中で、花数も少なくひっそりと静かに咲くその様子が、
春に咲く桜よりも何だか”いたいけ”だと感じます。

桜、といえば春の代名詞のような花だと感じていましたが。
ほんの少し、咲く時期がずれてしまった「ふゆのさくら」。
美しい詩なのに、なんだかせつない。
この詩に描かれているのは、愛し合う二人の、
響きあう心。
向かいあう、対(つい)のたましい。
・・・それでも、何かが少しずつ、ままならず・・・。

「なにをかなしむひつようがありましょう」

そう自分に言い聞かせなくてはならないほどに、
悲しみが静かに作者の胸にあふれていたのでしょう。

それでも、愛する人と共にすごせるひとときが嬉しい。
黙っていても、ただ一緒にいれば、心が通じ合う。
優しいひかりの中に包まれている二人。
静かに散る桜の花びらの美しいイメージと重なって、
はかなく、せつなく・・・。

「一瞬」の中に、「永遠」が宿った瞬間が切り取られている。
愛の中では、時間は物理的な長さを超越する。

「なにをかなしむひつようがありましょう」

真実に愛し合えた「一瞬」は、「永遠」。
永遠に、散りやまない桜。

「たえまなくさくらのはなびらがちりかかる」

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学校というものから縁遠くなると、一部の人以外は生活の中に「詩」という存在は無いに等しいのでは?読書好きの私でも詩集をひもとくなんて何十年ぶりでしたが内容も勿論、装丁も素敵で素晴らしい。自分の感受性の維持って何歳になってもむつかしい…落ち込んだ時、さりげな //詩集を... 2007/09/28 03:06

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mar(マル)

Author:mar(マル)
☆大切なこと
「真・善・美」な道を求めて日々成長すること。

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「世界と人生を愛すること 
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苦しみの中でも微笑を忘れないこと」
(ヘルマン・ヘッセの言葉) 

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・空が好き。
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・高村光太郎『智恵子抄』
・三浦綾子『道ありき』『氷点』『泥流地帯』『塩狩峠』
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・ドストエフスキー『白痴』『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』
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・ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』
・宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
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などなど。

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『初恋の来た道』『ポンヌフの恋人』『ローマの休日』『アメリ』『父と暮らせば』『ノッティングヒルの恋人』『ライフイズビューティフル』『ベティーブルー』『存在の耐えられない軽さ』『嵐が丘』『LOVERS』『汚れた血』『イングリッシュペイシェント』『エトワール』『風と共に去りぬ』など

☆好きな音楽

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